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by zeal_shoot

船員の入国と船員手帳

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ロシア・サイパン・パラオの入出国スタンプ。
パスポートではありませんが、自由帳に押してもらった訳でもありません。

これは「船員手帳」といって、船員さんが船に乗るときに欠かせないものなのです。
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上の画像にあるように、国によっては入出国スタンプを押す場合もあります。
といっても数は少なく、上の3カ国に加えてポンペイのスタンプしかありませんでした。

船員手帳の主な使用目的は、日本の運輸局に、いつ何という船に乗ったか・降りたかという届出をするためと、自分の乗船履歴と健康診断結果を記録するためです。
乗船の記録は、乗船・下船のたびに船の担当者が運輸局に船員手帳やら申請の書類やらを持っていき、運輸局の確認を受ける必要があります。
健康診断は1年に1回受けますが、検査に不合格となると船に乗務することができません。
最近メタボ検査(胴囲を測るだけ)も追加になりました。時代ですね。

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あとは海外の港に入出国する際にも大変重要です。
船員の場合、実は入国の際にパスポートは使用せずに船員手帳で手続きをすることが圧倒的に多いです。
また面接手続きをする国はあまりなく、この船員手帳で身元確認をするのです。
面接をしない国はどうするのかと言うと、入管・税関・検疫(まとめて官憲と言います)が乗船してきたときに会議室に案内し、船側の担当者が船員手帳や船員リスト、船員の所持品リストなど、あらかじめ指定された書類等を一括して官憲に提示し、官憲がチェックして終わり、もしくはスタンプを押して終わり、など。
パスポートにスタンプを押されることはあまりありません。
なので何十カ国も行ったのに、パスポートは真っ白な人もたくさんいます。

お客様も同様に面接がないこともありますし、お客様だけ面接する国もあります。
お客様の場合はほとんどの国でパスポートにスタンプが押されます。

あとは官憲が乗船せずに、現地の代理店だけが乗船してきて書類を官憲事務所に持ち込み、なんて港もあります。

もちろん、空港と全く同じように入管・税関・検疫ブースを通過して手続きを行う国もありますし、手続きが簡単な国も、事前に船客・船員リストや手続き書類を大量にメールで送っているために、当日の手続きが簡素化されていることがほとんどです。
決して船に対してセキュリティが甘いというわけではありませんし、手続きがないだけで、船からの出入りを官憲が監視しているなど、不正や違法行為があれば必ず見つかってしまいます。




これらの手続きに不備があると、船の入港許可や船客・船員の上陸許可が下りなかったり、出港許可が下りないことも考えられます。
手続き自体は一見簡単に思えますが、実は非常に神経を使う業務の一つです。


知られざる船の世界、もっと知りたい方はぜひジールへお問い合わせください。
http://www.zeal.jp/



by zeal_shoot | 2014-06-12 13:46 | つぶやき