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水中撮影・水上撮影・船舶撮影専門の撮影コーディネーター

by zeal_shoot

船の操船について

韓国の船舶事故以来、船の操船について知人友人から聞かれる機会が増えました。

一番多い質問は操舵手について。
一般の人は操舵手という職務がいまいちピンとこないようですね。

個人的に所有するようなクルーザーやヨット、業務用でも小さな貨物船や遊覧船などは、船長やクルーが車を運転するのと同じように単独で針路を考えて舵を取ります。

しかし大型の貨物船や旅客船になると、通常の航行時は船長や航海士は指示を出すだけで、実際に舵を取るのは「操舵手」です。
航海士は「海技免状(航海)」を持っていないとなれませんが、操舵手は免許がなくともなれます。

操船は、航海士または船長が操舵手に指示(号令)を出し、操舵手が舵輪を動かします。
例えば、


 <号令>航海士「スターボード テン」(右10度)

 <復唱>操舵手「スターボード テン サー」(右10度 了解)

  操舵手が右10度に舵輪を回す

  ↓少しタイムラグがあり…

  舵が右10度になる

 <報告>操舵手「スターボード テン サー」(右10度 完了)


という流れになります。

航海士が舵輪を操作することがあるとすれば、操舵手が見回りに出て操舵室にいないとき(広くて安全な海域のみ)など、船長は、難しい海域や、港へ入港する時に悪条件な場合などです。

操舵手は号令を受けて言われた通りに操作するだけなので、号令通りにしていれば責任は問われないのでは、と思うかもしれませんが、実際はそうではありません。
航海士が明らかにおかしな指示をしているときは、助言するなどの責任はあります。

もっと言えば、船員として船に乗務している限り、危機的状況において責任のないクルーなんて一人もいません。船に乗務している全てのクルーはお客様の命を守る義務があります。


普段私たちは当たり前のように船を動かしお客様を乗せてクルージングしていますが、非常時の対応について改めて考えさせられます。
これからも、安全運航とは心掛けるものではなく徹するものだということを意識して運航してまいります。



ジール撮影事業部
http://www.zeal.jp/
by zeal_shoot | 2014-04-28 14:10 | つぶやき